プレゼン時の意外な工夫

先週、子会社別中計発表のリハーサルを行い、勘違いや危ないポイントが見つ
かったことをお話しました。

今回は、その本番結果のご紹介です。

親会社の役員室に出向き、2社の子会社の経営者が親会社の社長たちに対して、
中期経営計画の発表を行いました。

先日、オンラインでリハーサルに付き合ってくれていた本社の経営企画担当部長は
心配そうな面持ちで聴いてくれていました。

1社30分~45分の持ち時間で、Q&Aを含め1社1時間以内で進めることとし、
いよいよ例の棒読みさんから始まりました。

私も脇でドキドキしながら聞いていました。
すると、例の棒読みさんの手元を見ると、意外な工夫が施されていることが
分かり、「なるほど、その手があったか!」と感心しました。
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まず、プレゼンは、その場で紙で行うことが決まり、
事前に、A3×2枚ものの各社の中期経営計画案が配布されていました。

全員が席に着くと、司会から案内があり、
棒読みさんが説明を始めたのですが、脇からその手元を見ると、
本文が少し小ぶりに印刷されており、周囲の余白に、説明用の補足書きが書き足されていたのです。
そして、本人は、もともと印刷されている部分を紹介しながら、
その補足書きを見ながら、補足説明を行い、
聴いている側からすると、棒読みではなく、きちんと書かれていることを説明しながら
語っているように聞こえたのです。

それが分かって、少しほっとしながらも、途中で補足書きを読み間違えたり、
関係のない補足書きを読んでしまったりしないかと心配したのですが、
さすがにそこは事前に練習していたのでしょう。
最後までスムーズに説明を終えることができました。

その後Q&Aセッションもあったのですが、一つ一つに対して、的確に返答が出来ていたので、
こちらもセーフでした。

そして、もう1社の方は、こちらから手元は見えませんでしたが、
こちらもスムーズに説明ができ、Q&Aも無難にこなせていました。

こうして説明会は無事終わり、これを元に次月から月次のPDCAを行うように指示が出されたのでした。
やれやれ。

補足書きをする方法は、
私も講師業の初期にやっていたことがあり、あぁ、あのやり方だと思い当たる節がありました。
その後慣れるにつれて、補足書きもキーワード程度で思い出せるようになり、
また、さらに慣れると、説明対象とする部分を赤字でハイライトするくらいで
話せるようになりましたが、
初期の段階では、補足書きで説明文を書き加えるという手法もあるなぁと思った次第です。

おそらく脇に付いていた銀行出身の経理スタッフが、機転を利かしてやったものと
思われますが、当初「役立たずの銀行員」のようなレッテルを貼られていた彼も
こうして活躍の機会ができて良かったのではないでしょうか?

いずれにしろ、自社の中計説明のような公式の場面では、失敗が許されませんから、
事前に周到な準備が必要で、それは、経営者の個人努力に依存するのではなく、
関係者が、「結果としてうまく行くように」あらゆるサポートをする必要があるという
ことですね。

今回は、そういう意味で、発表した本人及びそれをサポートしたスタッフのナイス
連携プレーでいい結果をもたらすことができたということではないでしょうか。

 

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